荷重とへたり


使われるばねが静的なのか、動的なのか。

どういう状況(環境)で使われるのか。

錆びの問題など・・・

これらを考えてばねの仕様を考えます


そのばねがどの位の強さを必要としているのか?

取り付け時と最大荷重時の荷重は?

そして繰り返し荷重の疲労限界(ヘタってしまうこと)は1000回程度でいいのか?

それとも、もっとシビアなものを要求しているのか?


ばねの設計例を紹介します。

材料 SWP-B 1000万回以上の実用性を持ったばねです。永久変形(へたり)の心配は使用上心配無さそうです
線径 1.0mm
引っ張り強度 2260N/mm
平均径 8.0mm
有効巻き数 6
自由長 12.0mm


取り付け時長さ 10mm
たわみ 2.0mm
荷重 6.4N
応力 152.8N/mm^2


取り付け時長さ(使用
時)
8.0mm
たわみ 4.0mm
荷重 12.8N
応力 305.6N/mm^2


ばね定数 3.19N/mm

ちょっと難しそうな項目もありますね


表の読み方

材料 SWP-B・・・・・・・(線種)ピアノ線のB種です。
線径 1.0mm・・・・・・・・材料の直径です。
引っ張り強度 2260N/mm・・・・ニュートン表示の材料の引っ張
り強さ。
平均径 8.0mm・・・・・・・・中心径。外径と内径の平均値
有効巻き数 6・・・・・・・・・・・・巻き始めから1ターンが1巻き。
自由長 12.0mm・・・・・・・フリーの状態の長さ。


取り付け時長さ 10mm・・・・・・・・・取り付けた状態の長さ。
たわみ 2.0mm・・・・・・・・・自由長-取り付け時長さ。
荷重 6.4N・・・・・・・・・・ばねに掛かる重さ。
応力 152.8N/mm^2・・荷重に対し反抗する力。


取り付け時長さ(使用時) 8.0mm・・・・・・・・使用取り付け時の長さ。
たわみ 4.0mm・・・・・・自由長-使用取り付け時の長さ。
荷重 12.8N・・・・・・・・・上記での荷重。
応力 305.6N/mm^2・・・・上記での応力。


ばね定数 3.19N/mm
                                         1Nは0.1019716213kgf

ばねの計算は線径、線材、コイル径、巻き数、自由長、そのほかの使用などの組み合わせで

さまざまに荷重その他の仕様が変わり、その変化の度合いは複雑です。

どのようなところに取り付け、どれくらいのたわみ(伸び縮みの変化量)が必要なのか、

とりあえずそれくらいのところからサイズを考えてみるといいでしょう。


ただしサイズのバランスがまずいとへたり(永久変形)などの弊害が出てきますので注意が必要です

   ※へたりとはある以上のたわみを生じさせると元のばねのサイズに戻らず縮んでしまったり伸びてしまうことを言います。

    押しばねなら密着長にまで押しても元に戻ることが望ましい。




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